こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は2度にわたる量目変更が行われた菊10銭アルミ貨の価値と買取相場について記載していきたいと思います。この硬貨は昭和18年銘で特年が存在し、買取価格が若干高くなっています。
昭和の菊10銭硬貨の価値と買取相場
画像は昭和18年(1943年)に発行された菊十銭硬貨です。米国のカタログではY#61.2で重量は1.2g、素材はアルミニウム、直径22mmとなっております。
この昭和18年銘の10銭硬貨は1.2gと1.0gのものが存在し、1.2gは価値が高いのですが1.0gは価値が低いです。
菊10銭アルミ貨の量目変更
菊十銭アルミ貨は戦争の長期化によるアルミ不足から2度にわたる量目変更により3種類の量目の異なるバージョンが存在します。初めの発行は昭和15年と昭和16年で重量は1.5gでした(Y#61.1 重量1.5g 直径22mm)。
その後、昭和16年8月に量目が変更され1.2gとなり、1.2gのタイプは昭和16年、昭和17年、昭和18年に発行されました(Y#61.2 重量1.2g 直径22mm)。さらに、昭和18年2月に量目が変更となり最終的には重量1.0gとなりました(Y#61.3 重量1.0g 直径22mm)。
発行枚数とカタログ価格
量目の異なるそれぞれの菊アルミ十銭硬貨の発行枚数やカタログ価格を纏めると下記のようになります。米国・日本どちらのカタログでも昭和18年銘の1.2gの価値が高くなっており、買取価格も高い傾向があります。
発行枚数
- 1.5gの菊十銭貨:5億7560万枚
- 1.2gの菊十銭貨:9億4490万枚
- 1.0gの菊十銭貨:7億5600万枚
米国のカタログ価格
古銭詳細 | 極美品 | 未使用 | 完全未使用 |
---|---|---|---|
昭和15年 1.5g | 35円 | 150円 | 300円 |
昭和16年 1.5g | 35円 | 150円 | 300円 |
昭和16年 1.2g | 50円 | 200円 | 400円 |
昭和17年 1.2g | 35円 | 150円 | 200円 |
昭和18年 1.2g | 375円 | 3000円 | 6000円 |
昭和18年 1.0g | 35円 | 125円 | 250円 |
日本のカタログ価格
古銭詳細 | 極美品 | 未使用 | 完全未使用 |
---|---|---|---|
昭和15年 1.5g | 150円 | 350円 | 2000円 |
昭和16年 1.5g | 80円 | 200円 | 1000円 |
昭和16年 1.2g | 150円 | 350円 | 1000円 |
昭和17年 1.2g | 80円 | 150円 | 400円 |
昭和18年 1.2g | 5000円 | 13000円 | 18000円 |
昭和18年 1.0g | 80円 | 150円 | 600円 |
菊10銭の実勢価格と買取相場
価値の高い昭和18年10銭(1.2gタイプ)の実際に市場で取引される価格(実勢価格)については下記の通りです。
業者所在 | 古銭詳細 | 取引価格 |
---|---|---|
東京都 | 昭和18年 1.2g 完全未使用 | 7000円 |
群馬県 | 昭和18年 1.2g 未使用 | 5000円 |
埼玉県 | 昭和18年 1.2g 未使用 | 4000円 |
大阪府 | 昭和18年 1.2g 未使用 | 3500円 |
福岡県 | 昭和18年 1.2g 準未使用 | 2000円 |
昭和18年(1.2g)以外の菊10銭硬貨については未使用でも価値が乏しく実勢価格100円程度の値段しか付きません(買取価格は通常1枚数円〜数十円)。
一方、昭和18年銘については米国のカタログ価格と同等レベルの水準で取引されており、未使用以上の状態ならば1000円を超える金額での買取が期待できます。
昭和の菊10銭アルミ貨まとめ
いかがだったでしょうか?昭和期に発行された額面の小さい古銭は価値が乏しいことが殆どですが第二次世界大戦の終戦期(昭和18年〜昭和20年)に発行されたものは特年が存在し一部で価値が高いものがあります。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。