こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は明治初期に発行された旧10円(十圓)金貨の価値と買取相場について記載して行きたいと思います。
加納夏雄がデザインした龍図と旭日に錦の御旗の図案は人気が高くなっており、希少年号銘を中心に超高額査定が期待できます。
明治の旧10円金貨の詳細
画像は明治4年銘の旧10円金貨です。旧1円金貨や旧5円金貨などと同様に明治4年5月10日公布の新貨条例に基づき鋳造、発行されました。
詳細は下記の通りとなっており、明治9年銘以降は直径が若干縮小されて発行されました。また、カタログなどでは掲載されていませんが、明治3年銘の試鋳貨とシカゴ万国博覧会出品用の明治25年銘の硬貨が存在することで知られています。
旧10円金貨の詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
直径(明治4年銘) | 29.424mm |
直径(明治9年銘以降) | 29.394mm |
品位 | 金900/銅100 |
量目(重さ) | 16.66g |
製造期間(明治4年銘) | 明治4年〜6年 |
製造期間(明治9年以降) | 明治8年12月〜13年2月 |
その他 | 有輪と無輪あり |
旧10円金貨の発行枚数
年号銘 | 発行枚数 |
---|---|
明治3年 | 発行枚数不明(試鋳貨) |
明治4年 | 1,867,032枚 |
明治9年 | 1,925枚 |
明治10年 | 36枚 |
明治13年 | 136枚 |
明治25年 | 発行枚数不明(シカゴ万国博覧会出品用) |
無輪と有輪の違い(画像)
上記は旧10円金貨の裏面の画像です。無輪は裏面の旭日(日章)に輪が描かれていないのに対し、有輪では旭日(日章)に輪が描かれています(このような無輪・有輪は旧10円金貨以外に旧5円金貨などで見る事ができます)。
また、実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引される値段)は若干、有輪の方が高い傾向がありますが、大きな違いはなく、日本のカタログ価格は下記のように区別されていません。
日本のカタログ価格
年号銘 | 完全未使用 | 未使用 | 極美品 |
---|---|---|---|
明治4年 | 140万円 | 80万円 | 60万円 |
明治9年 | 1900万円 | 1350万円 | 900万円 |
明治10年 | 2200万円 | 1650万円 | 1100万円 |
明治13年 | 2200万円 | 1650万円 | 1100万円 |
旧10円金貨の買取価格・査定相場
下記は私が調べた旧10円金貨の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引される値段)と買取相場です(実勢価格・買取相場は2022年に最新情報に更新しました)。
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
---|---|---|
明治3年 NGC MS64 有輪 | 276,000USD(約2900万円) | 〜2700万円 |
明治13年 NGC PF64 有輪 | 270,250USD(約2850万円) | 〜2650万円 |
明治4年 NGC PF66 有輪 | 94,000USD(約1000万円) | 〜920万円 |
明治4年 PCGS MS66 有輪 | 135万円 | 〜122万円 |
明治4年 PCGS MS65 有輪 | 90万円 | 〜81万円 |
明治4年 財務省放出 美品A(未使用+) 無輪 | 80万円 | 〜72万円 |
明治4年 鑑定書付 準未使用 無輪 | 55万円 | 〜47万円 |
財務省放出金貨のグレード(状態表記)はNGCやPCGSと比べると不正確となっており、美品でも完全未使用や未使用などの状態の事が多いです。そのため、この記事では( )内に私が鑑定した正しいグレード(状態)を表記しています。
通常市場に出回るのは発行枚数の多い、明治4年銘となっており、完全未使用以上(NGCやPCGSのMS65以上)になると100万円前後での買取(査定)が期待できます。
また、市場に出回ることは滅多にありませんが、明治3年銘や明治13年銘、明治4年銘のプルーフ(NGCのPF、PCGSのPR表記)などになると価値は一気に上昇し、数千万円の価値があるものも存在します。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。