こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は寛永3年に水戸の佐藤新助によって作られたのが始まりとされている寛永通宝(寛永通寳)の価値と買取相場について記載していきたいと思います。
寛永通宝は江戸初期から明治初年までの約240年間にわたり利用されてきた庶民の銭貨で現存数は膨大となっています。
通常の寛永通宝の価値は乏しく、買取価格は高くありませんが、一分銀(明治一分銀・天保一分銀・安政一分銀など)のように珍しい書体や字体のものが存在し、買取価格が1枚10万円を超える事もあります。
寛永通宝の形状
骨董市場に出回る寛永通宝は通常の通用銭と母銭が存在します。母銭とは通用銭を鋳造するときの母型で材質、制作寸法が異なるとともに現存数が少ないため価値が高くなっています。
デザインは表面に「寛永通寳」の文字が上下右左の順に刻印され、貨幣価値は裏面に波形が刻まれているものが4文、刻まれていないものを1文として通用(流通)しました。
また、裏面には画像の「文」以外に「元」・「足」・「長」・「小」・「千」・「久」・「盛」・「三」などの文字が刻まれており、鋳造地や鋳造年代を表すものとされています。
寛永通宝(古寛永銭)の買取相場
寛永通宝の分類方法は様々な方法がありますが、大きく大別すると古寛永銭(寛永3年から新寛永銭の鋳造が始まる寛文8年までの古銭)と新寛永銭(寛文8年から明治2年までに鋳造されたもの)に分ける事ができます。
古いものですが現存数が多いため、殆どのもので買取価格は1枚あたり1円〜500円程度が相場となっています。しかし、下記のような古寛永銭は価値が高く、高価買取が期待できます。
二水永背三の価値
画像は寛永3年(1626年)に鋳造された二水永背三と呼ばれる寛永通宝(水戸銭)です。特徴としては表面の「永」字が「二」と「水」字を組み合わせたようになっており、背面(裏面)には鋳造年の「三」が刻まれています。
直径は24mm前後で素材は銅、実勢価格(業者が販売し市場で取引された値段)は2.5万円〜5万円程度なので保管状態が良ければ数万円での買取も期待できます。
二水永背星の価値
画像は寛永13年(1636年)頃に鋳造された二水永背星(水戸銭)です。素材は銅で先ほどの二水永背三と異なり背面(裏面)が星になっています。
二水永背三に比べると若干ですが価値が落ち、実勢価格は1.5万円〜4万円程度、買取価格は0.8万円〜3.2万円程度が相場となっております。
寛永通宝(新寛永銭)の買取相場
新寛永銭についても殆どのもので価値は低くなっており、業者による買取価格は1円〜500円程度が相場です。
しかし、下記のような母銭や通用銭はコレクターの間でも人気が高くなっており、高価買取が期待できます。
島屋文の価値
画像は島屋文と呼ばれる新寛永銭です。表面の寛永通宝の「通」頭が「ユ」の形になっているのが大きな特徴で、さらに「狭文磨輪」「広文(細縁)」「広文母銭」「小頭通」「小頭通(細縁)」など細かな小分類を行うこともできます。
鋳造は寛文8年(1668年)とされており、素材は銅、実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)は10万円〜30万円程度が相場となっております。そのため、もし本物ならば10万円を超える高価買取も期待できます。
白目小字(母銭)の価値
画像は新寛永通宝の白目小字の母銭です。元文4年(1739年)に鋳造され、直径は24mm前後となっております。
通用銭の価値はあまり高くありませんが、母銭は価値が高くなっており、実勢価格は11万円〜24万円程度(管理人が2014年から2019年の売買データを調査)、こちらも保管状態や売却時期が良ければ10万円を超える買取も期待できます。
寛永通宝(寛永通寳)まとめ
いかがだったでしょうか?寛永通宝(寛永通寳)は現存数の多い、古銭であるとともに書体(字体)のバリエーションが豊富なため専門家(コレクター)や買取業者でなければ正確な価値を判断するのは難しいでしょう。
現存する99%以上のもので買取価格は500円以下となっていますが、中には10万円を超える買取になるものも存在するので売却を検討中でしたら買取業者に相談すると良いでしょう。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。