こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は戦国時代から江戸時代にかけて甲斐国などで流通していた甲州一分金の価値と買取相場について記載して行きたいと思います。
甲州金は江戸時代にも造られ公用通貨としても流通した領国貨幣となっており、保管状態の良いものについては高額査定が期待できます。
甲州一分金の詳細
画像は武田信玄が駿府侵攻の際に鋳造したとされている甲州一分金です(量目は3.7g程度)。戦国時代の領国貨幣で山下・志村・野中・松木の四氏が金座役人として鋳造を行ったとされています。
表面には「額面の壱分・五三の桐紋・鋳造を担った松木家の刻印」裏面には「甲斐国の権威を示す”甲”と”重”」の打刻があります。
裏面(背)の「重」の打刻はさまざまな種類が存在し、打刻によって下記のように価値が異なる事が知られています。
日本のカタログ価格
背の打刻 | 極美品 | 美品 | 並品 |
---|---|---|---|
無背 | 28万円 | 18万円 | 12万円 |
背忠 | 70万円 | 35万円 | 18万円 |
背下安 | 95万円 | 60万円 | 35万円 |
背中安 | 75万円 | 45万円 | 25万円 |
背重 | 18万円 | 15万円 | 10万円 |
背定 | 18万円 | 15万円 | 10万円 |
甲州一分金の背の画像
上記は甲州一分金の背の画像です。「中安」や「下安」「背忠」は珍しく、保管状態が良ければカタログ価格同様に高値で取引される傾向があります。
一方、「背重」「背定」などは現存数が比較的多い為、価値はそれほど高くなく、業者による買取価格は10万円未満となる事が一般的です。
甲州金は「1両=4分=16朱=64糸目」という貨幣制度を採用していました。この貨幣制度は後に徳川家康の江戸幕府に引き継がれます。なお、「金に糸目をつけない」の糸目とは甲州金の通貨単位に由来すると言われています。
甲州一分金の査定価格・買取相場
下記は私が調べた甲州一分金の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引される値段)と買取相場です。
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
---|---|---|
背中安 美品+ 鑑定書付 | 295,000円 | 〜240,000円 |
背忠 並品+ 鑑定書付 | 148,100円 | 〜118,000円 |
背重 美品+ 鑑定書付 | 125,000円 | 〜100,000円 |
無背 並品+ 鑑定書付 | 110,000円 | 〜85,000円 |
背定 美品 鑑定書付 | 89,000円 | 〜65,000円 |
日本のカタログ価格と比べると価値は低くなっており、実勢価格はカタログ価格ほど高くありません。
ただ、人気の高い「背中安」などは高値で取引される傾向があり保管状態や売却時期が良ければ20万円を超える査定も十分期待できます。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。