こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は宝永5年1708年に発行された宝永通宝十文銭(寳永通寳10文銭)について記載して行きたいと思います。宝永通宝は江戸時代当時、他の古銭に比べ大型の古銭だったことから大銭と呼ばれていました。
宝永通宝十文銭の価値
宝永通宝十文銭は元禄の改鋳を行っていた貨幣改悪(?)の仕掛人・荻原重秀が独断専行して京都の糸割符仲間に鋳造させました。寛永通寶(1文銭)が重さ1匁(約3.75g)であったのに対して寶永通寶は2匁5分(約9.4g)しかありませんでした。
宝永通宝十文銭の評判
宝永通宝は江戸当時、市民が大銭を使い慣れていなかったせいもあり、市中での評判は極めて悪く、両替屋も苦情を申し立てる有様だったとされています。そのため、発行の翌年1月17日に通用停止となり鋳造期間がはわずか1年足らずでした。
宝永通宝十文銭の詳細
KM#57で素材は銅など、表面には「宝永通宝(寳永通寳)」裏面には「永久世用」の文字が刻まれています。上記古銭の画像では「久用」の間に「珍」の文字が刻まれていますが「永世」の間に刻まれたものも存在します(「永世」の間に「珍」が刻まれたものの方が一般的です)。
また、表面の「寳永通寳」の「寳」のウ冠の第二画が長いものと短いものが存在し「深冠(重量 約9.37g)」「浅冠(重量 約8.62g)」と呼ばれています(その他「直永」がありますが「直永」の通用銭はあまり見かけませんし判別が難しい場合が多いです)。
宝永通宝十文銭の価値
鋳造期間が短かった割にはカタログ上の価値はそれほど高くなく、カタログ価格は下記のようになっております(下記は米国のカタログ価格です。国際的には人気がありませんが国内では海外に比べ分類が詳細にされ高く取引されています)。
並品 | 美品 | 極美品 |
---|---|---|
2500円 | 3500円 | 4500円 |
国内の実勢価格はカタログ価格よりも高額で状態が良いものは1枚2万円以上の価格で取引されることがありますので枚数が揃えば高額での買取も期待できます。
業者所在 | 古銭詳細 | 取引価格 |
---|---|---|
群馬県 | 「永世の間に”珍”」「浅冠」「極美品」 | 24000円 |
東京都 | 「永世の間に”珍”」「直永」「並品-」 | 15000円 |
大阪府 | 「永世の間に”珍”」「浅冠」「並品+」 | 10500円 |
古銭の買取査定まとめ
いかがだったでしょうか?宝永通宝は比較的価値がある古銭ですが10年前などに比べると価格が減少しているように感じます。未使用や準未使用など状態が良いものは高額で取引されますが贋作(偽物)やレプリカも多いので注意が必要です。
また、試鋳貨幣(二字寳永、二字永十など)や母銭も存在し、試鋳貨幣や母銭は通用貨幣(通用銭)よりも高額(10万円〜)で取引される傾向があります。今回の記事が古銭の買取査定価格の参考になりましたら幸いです。