こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は1800年代にアメリカで発行されたリバティ ヘッド20ドル金貨(ダブルイーグル)の価値と相場について記載していきたいと思います。今回紹介する20ドル金貨は1849年に発行された後、1907年まで発行されています。米国の古銭では年号銘によって価値が異なり特年の金貨は数百万円〜数千万円の価値があります。
リバティ ヘッド20ドル金貨(1849年〜1866年)
1850年から1861年にかけて発行されたリバティヘッド20ドル金貨です。KM#74.1で重量は33.43g、直径34mmの大型の金貨です。グレード(状態)によって価値は異なり最も価値が高いのは発行枚数1枚と言われている1849年に発行されたものです(幻の20ドル金貨となっており市場で取引されたことは私が知る限りではありません)。
続いて発行された1850年銘も比較的価値が高く完全未使用(MS65以上)の状態の場合、カタログ上175,000USD(日本円で2000万円弱)の価値があります。その他で価値が高いものは1854年、1856年などで未使用(MS60以上)の場合、525,000USD(日本円で6000万円弱)の価値があります。
このように1850年から1861年に発行された20ドル金貨は全体的に価値が高く業者による買い取り価格も高額になる傾向があります。
1862年〜1866年まで発行されたリバティヘッド20ドル金貨です(上記画像はプルーフ金貨)。KM#A74.1で重量は33.43g、こちらも価値が高く、最も価値が低い1865年の金貨でも未使用(MS60以上)で4200USD(約45万円)の価値があります。
なお、上記1849~1866年に発行されたダブルイーグル金貨(タイプ1)では「IN GOD WE TRUST」のモットー(銘文)がデザインされていないので、ノーモットーとも呼ばれています。また、この年代のプルーフ金貨は少なくとも1000万円以上の価値があります(状態が良ければ3000万円程度〜の金額で取引されています)。
プルーフとは
ポリッシュ仕上げした貨幣平板に、美しく磨いた極印で丹念に刻印した鏡状の面を有するコインの状態のことです。プルーフと認められるコインが最初に製造されたのはイギリスとされており、銀貨はチャールズ2世統治下の1662年、金貨はジョージ2世統治下の1729年に発行されました。
リバティ ヘッド20ドル金貨(1866年〜1876年)
1866年〜1876年にかけて発行された米国のリバティヘッド20ドル金貨です。KM#74.2で金の品位は90%、重量33.43g、直径34mmとなっておりタイプ1と同様です。タイプ1(1849~1866年発行)と異なる点としては下記の裏面のモットーで1866年〜1876年発行の金貨(タイプ2)ではモットー「IN GOD WE TRUST」が刻まれています。
全体的に価値が高く1870年のミントマーク(CC)のタイプでは発行枚数が3789枚と少ないことから準未使用(AU50以上)でカタログ上、400,000USD(日本円で4500万円弱)の価値があります。
タイプ2で最も価値が低いものとしては1873年の20ドル金貨で未使用(MS60以上)の価格はカタログ上、2150US(日本円で約23万円)です。日本国内での取引相場を調べたところカタログ価格と同等レベルの20〜25万円前後での取引がほとんどでした。
ミントマークについて
ミントマーク (mint mark) とは、コインを鋳造した場所を特定するために、コインの図案や、銘字とは直接関係のない、アルファベットや図案をコイン上の特定の位置に付加したものです。リバティヘッド金貨ではシャロット「C」、ダロネガ「D」、ニューオリンズ「O」、サンフランシスコ「S」などのミントマークがあります。
リバティ ヘッド20ドル金貨(1877年〜1907年)
1877年〜1907年にかけて発行されたリバティヘッド20ドル金貨です(タイプ3)。表面、裏面ともにデザイン2と同じですがタイプ1、タイプ2では「TWENTY D.」となっていた文字が「TWENTY DOLLARS」に変わっています。
日本国内で最もよく出回るリバティヘッド金貨となっており、現在に近づけば近づくほど価値が低いものが多くなっています。1893年以降では未使用(MS60以上)でも18万円〜23万円程度で取引されるものがほとんどとなっており、驚くような買取価格とはなりません。
しかし1879年(ミントマークO)や1881年(ミントマークなし)などでは発行枚数が少なく1000万円前後の価格で市場にて取引されることが一般的です。
リバティヘッド20ドル金貨まとめ
いかがだったでしょうか?アメリカのアンティークコイン(古銭)では日本の古銭に比べ年号での価格の差が激しいです。また、年号での価格差が激しいことから年号を改ざんした贋作(偽物)が存在します。
年号銘だけを改ざんした贋作(偽物)は年号以外は本物であるため真贋(本物か偽物)の見極めは専門家以外には難しく、素人では簡単に騙されてしまいます。
国内では価値の高いリバティヘッド金貨はあまり出回りませんが古銭を相続し売却を検討しているようでしたら専門家に一度査定してもらうと良いでしょう!今回の記事が古銭の買取査定価格の参考になりましたら幸いです。