こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は古銭のグレード(状態)と価値の関係や米国の鑑定機関であるNGC・PCGSついて詳しく解説していきたいと思います。

古銭のグレード(状態)は古銭の買取価格に大きな影響を与えます。古い古銭の場合、準未使用未使用では同一古銭だとしても倍以上の価格差が出ることもあります。

古銭のグレード(状態)

プルーフの画像 プルーフライクの画像
プルーフ プルーフライク

プルーフとは元々は流通コインを作る前の試作貨の事です。一般的に表面は鏡上になっておりトーンがついた物は非常に高価格で取引されます。1900年前後以前の物ですとミントステイトに比べ数倍〜数十倍の価値が付けられる事が一般的ですが、1950年〜の近代の古銭(コイン)ではプルーフ貨でも発行枚数が多く流通品(ミントステイト)より価値が低いものもあります。NGCではPF、PCGSではPRと表記され、CAMEO(カメオ)、ULTRA CAMEO(ウルトラカメオ)など鋳造の段階によって区別されておりプルーフの中でも輝きが異なります。日本の古銭の場合、明治発行の旧20円金貨のプルーフが有名です。

プルーフライクとは元々、プルーフとして鋳造された物ではなくミントステイト(流通貨・通常貨)として鋳造された物ですが、プルーフ状の仕上がりをしたコインを言います。ミントステイトに比べると高く取引されています。インドのルピー銀貨などで比較的よく見られます。鑑定機関によってMS62PLやPL60などと表記されます。

完全未使用の画像 未使用の画像
完全未使用の1円銀貨 未使用の1円銀貨

完全未使用と未使用製造時の状態を保った未流通のコインを言います。NGC、PCGS共にMSもしくはUNCでグレードが表記されます。ただ、MS65(完全未使用)とMS60(未使用)だと状態としても価格としてもかなり違いが出ます。状態の良い物の方が価格も上がりやすく第二次世界大戦以前のMS65(完全未使用)以上のコインは緩やかかもしれませんが今後も長期的に価格が上がって行く可能性が高いです。なおカタログ価格(米国)のUNC(未使用)はMS60の価格だと言われています。また、旧20円金貨や旧10円金貨の未使用のものは買取価格が高額です。

準未使用の画像 極美品の画像
準未使用 極美品

準未使用とは極僅かに流通の痕跡がありますが、未使用に近い状態のコインを言います。NGC、PCGS共にAUでグレードが表記されています。19世紀(1800年代)以降のコインですと希少性や美しさを考えるとAU以上をコレクションとして収集される事をおすすめします。日本の江戸期の古銭の場合、準未使用以上のグレードの古銭は滅多に市場に出てきませんので買取価格も高額になる傾向があります。

極美品とは流通の痕跡があり、準未使用ほどではありませんがデザインも鮮明に見て取れるコインを言います。NGC、PCGS共にXFで表記されます。16世紀や17世紀の古いコインや古銭だとしても美しさ、価値を考えると極美品以上のコインをコレクションする事をおすすめいたします。江戸期の小判、大判、二分金などでは極美品の状態は大変希少です。

美品の画像 並品の画像
美品 並品

美品とは流通による摩滅が進み、デザインが不鮮明になっているコインです。わざわざ鑑定に出さないため鑑定品を見かける事は殆どありません。投資用、コレクション用で考えても余程の希少性のあるコイン以外は美品を収集するのは懸命ではないと思います。鑑定機関ではVFと表記されています。美品以下については希少性が高い古銭でも買取価格は安くなる傾向があります。また、長期的に値上がりするということも殆どありませんので換金をおすすめします。

並品とは全体的に摩耗が進み、図案も不鮮明でキズや汚れがある古銭(コイン)を指します。一般的に蔵や実家の掃除などで出てくるのは並品レベルのものが殆どです。古銭の種類にもよりますが並品の買取価格は一枚数十円から数千円程度となっています。
劣品の画像 エラー銭の画像
劣品 エラー銭

劣品とは全体的に摩耗が進み、図案の多くが不鮮明で変色やキズ、汚れが多い古銭を指します。並品同様、買取価格は安く一枚数円から数千円程度のケースがほとんどです。

エラー銭とはエラー銭とは何らかの製造上の問題により通常貨幣と異なる特徴を持つ硬貨の事です。通常は検品の段階で廃棄されるのですが一部流通したものが存在し、価値が高くなっています。「穴ずれ」「穴ナシ」「傾打(角度ズレ)」「刻印ずれ」「影打ち」「裏写り」「ヘゲエラー」などが存在し、1円玉のエラーが以前200万円を超える金額で取引された事があります。

古銭鑑定機関NGCとは

NGC

NGC(Numismatic Guaranty Corporation)は、1987年に設立された収集用コイン第三者鑑定専門機関です。NGCの一番の特徴は、守備範囲の広さです。

古くは中世のものから現代のものまでを幅広く取り扱い、評価方式は異なりますが、古代コインも取り扱っています。なお、画像のスラブケースは少し古いもので現在では少しデザインが異なるものが主流です。

日本の明治の古銭はPCGSによる鑑定品よりもNGCによる鑑定品の方が多い気がします。ただ、米国の鑑定機関ということもあり、たまに古銭を間違えて鑑定しています(一分銀や二朱金など江戸期の古銭で間違っている事があります)。

また、日本の古銭の場合はNGCによる鑑定済み古銭といっても価値として評価されにくいため、古銭売却時にわざわざ高い手数料を支払って米国の鑑定を取得する必要はありません。

NGCの鑑定料

鑑定料は古銭の価値によって異なりますが、送料などを含め5000円程度〜が相場となっています。その為、現存数が多く価値の低い古銭の鑑定済み品は意外と少ないです。

古銭鑑定機関PCGSとは

PCGS

PCGSも米国の鑑定機関です。個人的にはNGCよりもPCGSの方がスラブ(ケース)がカッコイイので好きです。1985年にコインの価値が、その状態により大きく異なることから国際的な品質基準を決めるために発足されました。世界トップクラスの専門家による公平なグレーディングと認証により比類のない価値をPCGS認定コインは持っています。

日本では海外のアンティークコイン(英国、米国、ドイツ、スイス、フランスなど)の場合、NGCやPCGSによる鑑定済みコイン(古銭)は高く評価される傾向にありますが、日本の古銭(江戸、明治、大正、昭和)の場合、海外の鑑定の価値は殆ど評価されません。

PCGSの鑑定料

鑑定料は古銭の価値によって異なりますが、NGCと同様に送料などを含め5000円程度〜が相場となっています。明治期の状態の良い古銭を売却のために鑑定に出すのは良い選択肢だと思われますが、昭和期の価値の低い古銭などを売却のために鑑定に出すことはオススメしません。

NGC・PCGSの評価と状態の関係

古銭業者や書籍によって評価基準が若干異なることもありますが、このサイト(古銭の買取売却査定ナビ)ではNGCやPCGSのグレード(評価)と古銭の状態の関係については下記のように定義しております(PFやPRなどのプルーフについても同様の基準となっています)。

NGC・PCGSの評価 状態
MS65以上 完全未使用
MS60〜MS64 未使用
AU50〜AU58 準未使用
XF40〜XF45 極美品
VF20〜VF35 美品
F12〜F15 並品
VG4〜VG8 劣品

古い古銭ではMSグレードは希少で骨董(アンティークコイン)としての価値が高いことが一般的です。一方、近年の硬貨についてはMSグレードだとしても現存数が多いためプレミアムの価値が乏しい事もあります。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。