こんにちは古銭の買取売却査定ナビです。今回は古銭や記念硬貨のクリーニング(洗浄)と注意点について記載して行きたいと思います。日本ではあまり知られていませんが、:古銭はクリーニングすると価値が大幅に落ちてしまいます。
クリーニングした古銭の評価
画像は世界的な鑑定機関であるPCGSによるクリーニングした古銭の評価記載です。洗浄や磨かれた古銭はCleaning・Polishedなどと表記され、数字での評価(MS60やXF45など)ではなくDedails評価となります。
日本で売買される古銭は詳細な数字評価は行いませんが海外と同様にクリーニングされた古銭はクリーニング前に比べると価値が低くなる事が知られています。
日本のグレード(状態)評価は完全未使用・未使用・極美品など大雑把な評価ですが、海外では数字で厳格な評価を行い、同一の状態なら数字がついている方が価値が高いです。
NGCやPCGSによる評価では未使用(MS)状態の古銭のカビやサビをクリーニングした場合、クリーニング前の評価が仮にMS60だとしてもクリーニング後はUNC Detailsの評価となり市場価値が大幅に下落します。
クリーニングした古銭の価値の下落幅
クリーニング(洗浄)した古銭の価値の下落については古銭の種類にもよりますが、経験上、下記のような形で低下する事が多いです。
状態 | クリーニング前の価値 | クリーニング後の価値 |
---|---|---|
完全未使用 | 完全未使用 | 準未使用 |
未使用 | 未使用 | 極美品 |
準未使用 | 準未使用 | 美品+ |
極美品 | 極美品 | 美品− |
美品 | 美品 | 並品 |
劣品 | 劣品 | 劣品− |
完全未使用や未使用の場合は2段階グレードが下落した程度の価値となり、業者による買取価格も大幅に低下します。
一方、劣品の場合、元々の評価が低い事もあり、クリーニングした後でも価値が殆ど落ちない事があります。
具体的な価値の下落幅
仮に手元に明治3年の未使用20円金貨があり、サビが出ているためクリーニングしたとすると市場で流通する価値は極美品程度の状態まで下落します。具体的な金額は下記の通りで、古銭の種類によっては100万円以上価値が下落する事もあります。
旧20円金貨の市場価格は米国のカタログ価格よりも高いことが多いですが、仮にカタログ価格と仮定すると「未使用=520万円」「極美品=345万円」となっています。
クリーニングした事による価値の下落幅は「520万円-345万円=175万円」となっており、業者による買取価格も同程度、下落する事が知られています。
ギザ10円玉はクリーニングしない方がいい
20円金貨をクリーニングすることは無いと思いますが、銅サビ(酸化銅)が出やすい10円玉をクリーニングしてしまう人は多いです(私も小さい時、クエン酸やお酢でピカピカにした事があります)。
10円玉はギザのある特年(昭和26年・昭和32年・昭和33年など)だと価値が高く、状態が良ければ1万円を超える買取が期待できますが、クリーニング(洗浄)してしまうと価値が大幅に下落し、状態が良かったとしても数十円から数百円程度の買取価格となってしまいます。
私の友人の古銭コレクターでエラー銭を酔っ払って洗浄してしまった人がいます。酔って洗浄する人は今まで生きてきた中で一人しか知りませんが、影打ちエラーの10円玉などの場合、価値が高く、本物ならば10万円を超える買取になる事もあります(洗浄すると価値は大暴落)。
通常の硬貨だと思っていたものがエラー銭だったと言う事もありますので、洗浄する場合、硬貨を確認してから洗浄するようにしましょう!
古銭の洗浄まとめ
いかがだったでしょうか?業者に買い取ってもらう予定の無い古銭ならばクリーニングしても問題ありませんが、クリーニングして価値の上がる古銭はありませんので売却する可能性のある物についてはそのままの状態で保管する事をオススメします。今回の記事が古銭売却の参考になりましたら幸いです。