百日天下ナポレオン1世の5フラン銀貨

こんにちは古銭の森です。今回は大変希少な100日天下のナポレオン5フラン銀貨について国内価格や国際価格、デザイン発行枚数などを中心に見ていきたいと思います。

ナポレオン1世の百日天下

百日天下は、ひとたびヨーロッパ諸国との戦争に敗れてフランス皇帝から退位したナポレオン1世が、1815年3月1日に帰国して帝位を取り戻し、ワーテルロー会戦に敗れて再びその地位を追われるまでの、およそ100日間の一時的支配の事を指します。

この間に発行された銀貨は大変希少で人気が高いです。5フラン銀貨の中ではミントマークBBのものが最も発行枚数が少なく、3723枚の発行となっております。

一部試鋳貨(銅貨)も発行されていますが、滅多に市場に出てくることはありません。このような希少なコインは市場に出ず代理人などを通して大富豪のコレクター間で取引や譲渡が行われることが一般的です。

百日天下ナポレオンの5フラン銀貨

ナポレオン5フラン銀貨 ナポレオン5フラン銀貨

上記は1815年の百日天下に発行されたナポレオン5フラン銀貨です。KM#704でミントステイトの発行枚数は3723枚〜596000枚(ミントマークにより発行枚数は異なります)となっており、2フラン銀貨に比べると発行枚数は多く、市場に出てくることが多いです。

カタログ価格は最も発行枚数の多いミントマークIでXF(極美品)=700USD、発行枚数の最も少ないミントマークBBでXF=3500USDとなっております。

デザインは100日天下以外のものと同様ですが試鋳貨では2フランに近い丸みを帯びたナポレオンの肖像が描かれています。

国内の実勢価格

国内の実勢価格としては2014年に1815年A(PCGS鑑定済みXF45)のナポレオン5フラン銀貨が98000円で取引されています。カタログ価格はXF=875USDなのでカタログ価格と同等レベルでの取引です。

また、2016年には未鑑定の美品のコインが30万円前後で取引されており、ナポレオン3世の100フラン金貨が2014年比で大幅に値を下げたのに比べ100日天下のナポレオン銀貨はどちらかというと値を上げたことが伺えます。

海外の実勢価格

海外では国内より多くの5フラン銀貨が取引されております。2014年に取引された1815年B100日天下5フラン銀貨はNGC鑑定済みAU55とハイグレードなもので3500USD(約40万円)程で売買が行われました。

百日天下のハイグレード銀貨

世界的に見ても5フラン銀貨のMSグレードの取引はほぼ皆無でMSグレードの銀貨が市場に出てきた場合、価格は10000USDを超えると考えられます。

100日天下はその希少性や知名度から投資用としても最適だと思われます。今回の記事がナポレオンの銀貨コレクションの参考になりましたら幸いです。