「明治31年銘の十圓金貨があるんだけど価値はどれくらいかなぁ?」と言った疑問にお答えするため、今回は明治30年から明治43年にかけて発行された新10円金貨の価値と買取相場について記載して行きたいと思います。
この金貨は特年(価値の高い年号銘)を中心に価値が高くなっており、状態の良いものでは高額査定が期待できます。
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新10円金貨の詳細
画像は1897年(明治30年)の貨幣法により発行された新10円(十圓)金貨です。特年(価値の高い年号銘)は明治37年、明治40年、明治43年となっており、特に明治43年銘は発行枚数が僅か8,982枚しかなかったため幻の金貨とも呼ばれています。
新10円金貨の詳細
項目 | 詳細 |
直径 | 21.21mm |
品位 | 金900/銅100 |
量目(重さ) | 8.33g |
純金 | 8.33g(量目)×90%(品位)≒7.5g |
発行枚数 | 20,254,406枚 |
廃止 | 昭和63年(1988年)3月31日 |
日本のカタログ価格
年号銘 | 完全未使用 |
明治30年 | 200,000円 |
明治31年 | 200,000円 |
明治32年 | 200,000円 |
明治33年 | 280,000円 |
明治34年 | 200,000円 |
明治35年 | 280,000円 |
明治36年 | 280,000円 |
明治37年 | 850,000円 |
明治40年 | 550,000円 |
明治41年 | 180,000円 |
明治42年 | 180,000円 |
明治43年 | 4,500,000円 |
年号銘 | 未使用 |
明治30年 | 150,000円 |
明治31年 | 150,000円 |
明治32年 | 150,000円 |
明治33年 | 200,000円 |
明治34年 | 150,000円 |
明治35年 | 180,000円 |
明治36年 | 180,000円 |
明治37年 | 650,000円 |
明治40年 | 400,000円 |
明治41年 | 120,000円 |
明治42年 | 120,000円 |
明治43年 | 3,500,000円 |
年号銘 | 極美品 |
明治30年 | 90,000円 |
明治31年 | 90,000円 |
明治32年 | 90,000円 |
明治33年 | 140,000円 |
明治34年 | 90,000円 |
明治35年 | 140,000円 |
明治36年 | 140,000円 |
明治37年 | 450,000円 |
明治40年 | 280,000円 |
明治41年 | 90,000円 |
明治42年 | 90,000円 |
明治43年 | 2,500,000円 |
年号銘 | 美品 |
明治30年 | 70,000円 |
明治31年 | 70,000円 |
明治32年 | 70,000円 |
明治33年 | 100,000円 |
明治34年 | 70,000円 |
明治35年 | 100,000円 |
明治36年 | 100,000円 |
明治37年 | 350,000円 |
明治40年 | 200,000円 |
明治41年 | 70,000円 |
明治42年 | 70,000円 |
明治43年 | 1,800,000円 |
新10円金貨の買取価格・査定相場
下記は私が調べた新10円金貨の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)と買取相場です。
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
明治33年 財務省放出 極美品(完全未使用+) | 300,000円 | 〜260,000円 |
明治36年 PCGS MS65 | 280,000円 | 〜238,000円 |
明治40年 NGC MS64 | 248,000円 | 〜200,000円 |
明治42年 PCGS MS66 | 135,000円 | 〜108,000円 |
明治35年 財務省放出 美品A(極美品) | 120,000円 | 〜92,000円 |
明治30年 財務省放出 極美品(極美品) | 110,000円 | 〜80,000円 |
財務省放出金貨のグレード
財務省放出金貨のグレード(状態表記)は日本貨幣商協同組合が鑑定していますがNGCやPCGSと比べると不正確となっており、美品でも完全未使用や未使用などの状態の事が多いです。そのため、この記事では( )内に私が鑑定した客観的なグレード(状態)を表記しています。
買取相場の根拠
明治37年銘(発行枚数724,548枚)については明治40年銘(発行枚数157,684枚)よりも発行枚数は多いのですが、状態の良いものの現存数は少なくなっており、市場に出回ることは殆どありません。
また、明治43年銘については友人コレクターや業者などを含め売買事例を探しましたが、売買事例が見つかりませんでした。
全般的に実勢価格はカタログ価格より若干安い水準が相場となっており、業者による買取価格はカタログ価格の5〜7割程度となる事が一般的です。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。