こんにちは古銭の森です。今回はスイスバーゼルの都市景観コインの価値について書いて行きたいと思います。
スイス バーゼルのコイン史
(画像引用元:google map)
バーゼルはスイスのバーゼル=シュタット準州の州都です。1373年に初めて貨幣製造権を獲得しました。1798年から1803年にかけてはヘルヴェティアに併合されましたが、1803年に再び独立した地位を獲得しました。
貨幣製造は勢いを持って非常に多くのコインが発行され、ドイツに近かった事も影響し、多様な都市景観コインも発行されました。初期のコインには神聖ローマ帝国の名が刻まれていましたが、1512年からはバーゼルでの発行となっています。
金貨としてはグルデンとダカットの額面があり、都市景観ダカット金貨は非常に希少な存在となっております。
バーゼルの都市景観コイン
バーゼルの都市景観コインとしては1/4ターラー(ターレル)銀貨以上の額面で都市景観の描かれたタイプのコインが発行されました。
非常に多様な都市景観を描いたコインが発行されており、バーゼルの都市景観に絞ってコレクションしている方もいらっしゃいます。
17世紀 バーゼルの都市景観ターラー銀貨
画像は17世紀(1600年代)に発行された都市景観銀貨です。ND(年号が記載されていない)ですが、1690年に発行されたものであるとされています。
17世紀のスイスバーゼルの都市景観銀貨は上記の他に都市景観の上にBASILEA(イタリア語?)と書かれたタイプのものも発行され、微妙にデザインが異なるものが多数発行されています。
市場価格(実勢価格)としては取引実績が少ないため正確な査定は困難ですが例えばKM#128のバーゼル都市景観銀貨(18世紀発行)はカタログ価格がUNCで1400USDなのに対し、MS62で手数料込み1650USD程で2013年に取引が行われました。
ビクトリアなどのプルーフ貨と比べるとカタログ価格はある程度参考になり、カタログ価格との乖離は小さいように感じます。ただ、先ほども述べた通り、市場に出回る絶対数は極端に少ないため、人気化すると価格が高騰してしまうという側面もあります。
今回の記事が都市景観コインコレクションの参考になりましたら幸いです。