「明治二十六年の十銭硬貨があるんだけど価値はどれくらいかなぁ?」と言った疑問にお答えするため、今回は明治6年から明治39年にかけて発行された竜10銭銀貨(龍十銭硬貨)の価値と買取相場について記載して行きたいと思います。
この古銭は低額貨幣だった事もあり、完全未使用状態のものは珍しく、特年(価値の高い年号銘)を中心に高額査定が期待できます。
竜10銭銀貨の詳細
画像は明治6年2月10日太政官布告第46号の改正に基づき発行された竜10銭銀貨(龍十銭硬貨)です。表面には竜図、裏面には額面(十銭)がデザインされており、詳細は下記の通りです。
竜10銭銀貨の詳細
項目 | 詳細 |
直径 | 17.57mm |
品位 | 銀800/銅200 |
量目(重さ) | 2.70g |
製造期間 | 明治6年2月〜30年1月・明治30年5月〜39年3月 |
総発行枚数 | 150,713,407枚+98,400,000枚 |
廃止 | 「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」により昭和28年末限りで廃止 |
特年 | 明治6年(ハネ明)・7年・13年・34年・35年 |
日本のカタログ価格
年号銘 | 完全未使用 |
明治6年 | 20,000円 |
明治6年(ハネ明) | 150,000円 |
明治7年(ハネ明) | 220,000円 |
明治8年(ハネ明) | 40,000円 |
明治8年 | 20,000円 |
明治9年 | 20,000円 |
明治10年 | 25,000円 |
明治13年 | --円 |
明治18年 | 20,000円 |
明治20年 | 40,000円 |
明治21年 | 20,000円 |
明治24年 | 50,000円 |
明治25年 | 50,000円 |
明治26年 | 25,000円 |
明治27年 | 70,000円 |
明治28年 | 20,000円 |
明治29年 | 20,000円 |
明治30年 | 20,000円 |
明治31年 | 25,000円 |
明治32年 | 25,000円 |
明治33年 | 60,000円 |
明治34年 | 230,000円 |
明治35年 | 250,000円 |
明治37年 | 15,000円 |
明治38年 | 15,000円 |
明治39年 | 15,000円 |
年号銘 | 未使用 |
明治6年 | 10,000円 |
明治6年(ハネ明) | 95,000円 |
明治7年(ハネ明) | 160,000円 |
明治8年(ハネ明) | 30,000円 |
明治8年 | 10,000円 |
明治9年 | 10,000円 |
明治10年 | 20,000円 |
明治13年 | --円 |
明治18年 | 8,000円 |
明治20年 | 8,000円 |
明治21年 | 10,000円 |
明治24年 | 30,000円 |
明治25年 | 30,000円 |
明治26年 | 12,000円 |
明治27年 | 25,000円 |
明治28年 | 8,000円 |
明治29年 | 8,000円 |
明治30年 | 8,000円 |
明治31年 | 12,000円 |
明治32年 | 12,000円 |
明治33年 | 25,000円 |
明治34年 | 180,000円 |
明治35年 | 190,000円 |
明治37年 | 7,000円 |
明治38年 | 7,000円 |
明治39年 | 7,000円 |
年号銘 | 極美品 |
明治6年 | 5,000円 |
明治6年(ハネ明) | 70,000円 |
明治7年(ハネ明) | 100,000円 |
明治8年(ハネ明) | 16,000円 |
明治8年 | 5,000円 |
明治9年 | 5,000円 |
明治10年 | 15,000円 |
明治13年 | --円 |
明治18年 | 3,000円 |
明治20年 | 3,000円 |
明治21年 | 5,000円 |
明治24年 | 15,000円 |
明治25年 | 15,000円 |
明治26年 | 5,000円 |
明治27年 | 4,000円 |
明治28年 | 2,500円 |
明治29年 | 2,500円 |
明治30年 | 2,500円 |
明治31年 | 4,000円 |
明治32年 | 4,000円 |
明治33年 | 8,000円 |
明治34年 | 90,000円 |
明治35年 | 70,000円 |
明治37年 | 2,000円 |
明治38年 | 2,000円 |
明治39年 | 2,000円 |
年号銘 | 美品 |
明治6年 | 2,500円 |
明治6年(ハネ明) | 45,000円 |
明治7年(ハネ明) | 65,000円 |
明治8年(ハネ明) | 11,000円 |
明治8年 | 2,500円 |
明治9年 | 2,500円 |
明治10年 | 10,000円 |
明治13年 | --円 |
明治18年 | 1,500円 |
明治20年 | 1,500円 |
明治21年 | 2,500円 |
明治24年 | 5,000円 |
明治25年 | 6,000円 |
明治26年 | 1,500円 |
明治27年 | 1,500円 |
明治28年 | 1,200円 |
明治29年 | 1,200円 |
明治30年 | 1,200円 |
明治31年 | 2,000円 |
明治32年 | 2,000円 |
明治33年 | 4,000円 |
明治34年 | 50,000円 |
明治35年 | 36,000円 |
明治37年 | 1,200円 |
明治38年 | 1,200円 |
明治39年 | 1,500円 |
ハネ明(跳明)の画像と見分け方
竜10銭銀貨では明治6年から明治8年銘で「明」の字が跳ねているハネ明(跳明)と通常の明(トメ明)が存在し、価値が異なる事で知られています。
価値はハネ明(跳明)の方が高くなっており、明治7年銘などでは高額査定が期待できます。
価値の高いエラーやプルーフコインの画像
竜10銭銀貨では画像のようなエラーコインやプルーフコインが何点か確認されています(画像は左から*スマホの場合上から「影打ちエラー銭(陰打ちエラー銭)」「明治9年プルーフ」「明治13年プルーフ」です)。
明治13年銘の10銭硬貨は通常貨を含めた総発行枚数が僅か77枚と少ないため、価値が非常に高くなっております。
また、影打ちエラー銭(陰打ちエラー銭)についても現存数が少ないため、特年(価値の高い年号銘)でなかったとしても高額査定が期待できます。
竜10銭銀貨の買取価格・査定相場
下記は私が調べた竜10銭銀貨の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)と買取相場です。
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
明治13年 NGC PF63 | 117,500USD(約1300万円) | 〜1200万円 |
明治9年 NGC PF65 | 10,350USD(約110万円) | 〜100万円 |
明治24年 影打 準未使用 | 578,000円 | 〜520,000円 |
明治34年 PCGS MS66 | 188,000円 | 〜165,000円 |
明治6年(ハネ明) PCGS MS64 | 140,000円 | 〜118,000円 |
明治34年 極美品 | 30,000円 | 〜21,000円 |
明治35年 極美品 | 33,000円 | 〜23,000円 |
明治30年 極美品 | 1,500円 | 〜500円 |
買取相場の根拠
一方、現存数の少ない、プルーフコイン(PF・PR)は価値が非常に高くなっており、実勢価格・買取価格は超高額(100万円や1000万円など)が期待できます。
また、影打ちなどの人気の高いエラー銭や特年硬貨についても価値が非常に高く、状態の良いものを中心に10万円を超える買取(査定)が期待できます。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。