「明治7年の1厘硬貨があるんだけど価値はどれくらいかなぁ?」と言った疑問にお応えするため、今回は明治6年から明治17年にかけて発行された1厘銅貨の買取価格や査定相場について記載して行きたいと思います。
この古銭では価値が非常に高い特年が存在します。また、エラーコインや試鋳貨(見本貨幣)も見つかっており、驚くような高額査定となることもあります。
1厘銅貨の詳細
画像は明治6年から明治17年(1873年〜1884年)にかけて発行された1厘銅貨(一厘硬貨)です。この貨幣は他の古銭と製造工程が異なるため、直径が標準寸法(15.75mm)と異なるものが存在します。
また、特年は明治9年銘・明治13年銘となっており、もし本物ならば高額査定が期待できます(贋作も多いので注意が必要です)。
1厘銅貨の詳細
項目 | 詳細 |
直径 | 15.75mm |
品位 | 銅980/錫10/亜鉛10 |
量目(重さ) | 0.91g |
製造期間 | 明治7年〜17年11月 |
その他 | シカゴ万国博覧会出品用の明治25年銘有り |
年号別の発行枚数
年号銘 | 発行枚数 |
明治6・7年 | 6,979,260枚 |
明治8年 | 3,718,840枚 |
明治9・10年 | 23,000枚 |
明治13年 | 810枚 |
明治15年 | 3,632,360枚 |
明治16年 | 14,128,150枚 |
明治17年 | 16,009,130枚 |
日本のカタログ価格
年号銘 | 完全未使用 |
明治6年 | 12,000円 |
明治7年 | 7,000円 |
明治8年(前期) | 15,000円 |
明治8年(後期) | 120,000円 |
明治9年 | 1,000,000円 |
明治10年 | 200,000円 |
明治13年 | 1,500,000円 |
明治15年 | 7,000円 |
明治16年 | 5,000円 |
明治17年 | 5,000円 |
年号銘 | 未使用 |
明治6年 | 10,000円 |
明治7年 | 5,000円 |
明治8年(前期) | 12,000円 |
明治8年(後期) | 100,000円 |
明治9年 | 750,000円 |
明治10年 | 150,000円 |
明治13年 | 1,100,000円 |
明治15年 | 5,000円 |
明治16年 | 4,000円 |
明治17年 | 4,000円 |
年号銘 | 極美品 |
明治6年 | 5,000円 |
明治7年 | 2,500円 |
明治8年(前期) | 6,000円 |
明治8年(後期) | 80,000円 |
明治9年 | 600,000円 |
明治10年 | 100,000円 |
明治13年 | 900,000円 |
明治15年 | 2,500円 |
明治16年 | 2,000円 |
明治17年 | 2,000円 |
年号銘 | 美品 |
明治6年 | 3,000円 |
明治7年 | 1,300円 |
明治8年(前期) | 3,000円 |
明治8年(後期) | 50,000円 |
明治9年 | 500,000円 |
明治10年 | 80,000円 |
明治13年 | 800,000円 |
明治15年 | 1,300円 |
明治16年 | 900円 |
明治17年 | 900円 |
米国のカタログ価格は?
米国のカタログ価格は画像のようになっております(価格はUSD表記)。
日本のカタログ価格と同様に明治9年銘や明治13年銘は価値が高いです。
また、日本のカタログでは掲載されていない明治25年銘(シカゴ万国博覧会出品用)が掲載されていますが、市場での取引は皆無のため価格は掲載されていません。
明治8年前期のハネ明と後期のトメ明
明治8年銘の1厘銅貨では画像のように「前期のハネ明(跳ね明)」と「後期のトメ明(止め明)」の2種類が存在します。
現存数は圧倒的に「後期のトメ明(止め明)」の方が少なくなっており、業者による買取価格もトメ明の方が高いです。
1厘銅貨の買取価格・査定相場(試鋳貨含む)
下記は私が調べた1厘銅貨(一厘硬貨)の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)と買取相場です。
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
明治2年 試鋳貨 NGC MS63 | 14,950USD(約164万円) | 〜1,480,000円 |
明治13年 NGC AU58 | 12,650USD(約139万円) | 〜1,250,000円 |
明治9年 NGC AU58 | 12,075USD(約133万円) | 〜1,190,000円 |
明治3年 試鋳貨 NGC MS63 | 7,475USD(約82万円) | 〜740,000円 |
明治15年 影打ちエラー 未使用 | 89,000円 | 〜71,000円 |
明治6年 未使用+ | 9,750円 | 〜6,500円 |
明治17年 完全未使用 | 6,500円 | 〜3,500円 |
明治16年 完全未使用 | 4,600円 | 〜2,000円 |
買取相場の根拠
また、特年の明治13年銘や明治9年銘は価値が高く準未使用(NGCやPCGSの場合AU50以上)だとしても100万円を超える買取(査定)が期待できます。
一方、明治7年や明治15年銘以降などの通常銭(試鋳貨・特年・エラー以外)は現存数が多いため、価値は高くなく、未使用や完全未使用だとしても業者による買取価格は1万円以下が相場となっております。
1厘銅貨のエラーコイン
画像は明治15年銘の影打ち(陰打ち)エラー銭です。2013年に未使用状態のものが実勢価格89,000円で取引されているので同様のものならば5万円を超える買取は期待できるでしょう。
1厘銅貨では様々な種類のエラーコインが見つかっていますが、影打ちはコレクターが多いため人気が高く、査定価格も高い傾向があります。
明治貨幣1厘銅貨まとめ
いかがだったでしょうか?明治に発行された1厘銅貨幣の詳細は上記のようになっております。通常銭については骨董(アンティークコイン)としての価値はそれほど高くありませんが、特年や試鋳貨については驚くような高値での買取が期待できます。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。