英国領ジャマイカのビクトリア コインの価値

こんにちは古銭の森です。今回は英国(イギリス)領ジャマイカのコインについて見て行きたいと思います。

英国領ジャマイカとは

ジャマイカはカリブ海にある、英国領西インド諸島において最も重要な植民地でした。この地における初期の英国コインはスペインのレアル銀貨や金貨にカウンターマークを打刻して流通させました。

ジャマイカでの流通用として、初めての英国王の肖像を描いたコインは1834年のウィリアム4世のペンス銀貨です。

ビクトリアのコインは流通貨としては1869年より発行され1ファージング(1/4ペニー)から1ペニーまであります。この地でのビクトリアコインの特徴としては他の地域のコインと異なり白銅貨で発行が行われた事です。

英国領ジャマイカのペニー白銅貨

ジャマイカのペニー貨

それではビクトリアの3種のコイン(1/4ペニー、1/2ペニー、1ペニー)について見て行きたいと思います。ジャマイカのビクトリアペニー貨は表面にビクトリアの肖像、裏面には盾の上にワニが描かれており、意匠的にも美しいデザインです。

ジャマイカのビクトリア1/4ペニー貨

1/4ペニー(ファージング)です。KM#15で1880年〜1900年頃まで発行が行われました。ミントステイトとのカタログ価格はBU(完全未使用)でも220USD程度となっており複数年度の発行であることから、そこまで希少なコインではありません。

プルーフの発行は1880年、82年、84年、85年、87年、88年、94年にありカタログ価格は全て400USDとなっております。実勢価格は具体的なデータが見つからなかったので判りかねますが、1/2ペニー、1ペニーの売買実績から推測するとカタログ価格とあまり変わらない水準だと思います。

ジャマイカのビクトリア1/2ペニー貨

ジャマイカの1/2ペニー貨です。KM#16で1869年〜1900年頃まで発行が行われました。こちらもミントステイトのカタログ価格は最高でも240USD程度(BU)となっており、希少性は高くありません。

プルーフについては1/4ペニーなどと同様、複数年で発行があり、カタログ価格は525USD〜850USDとなっています。

ジャマイカのビクトリア1ペニー貨

ジャマイカの1ペニー貨です。こちらも1/2ペニーと同様1869年〜1900年頃まで発行がありました。

ミントステイトは1/4ペニーや1/2ペニーと比べ2倍程度となっており、実勢価格もカタログ価格と同様レベルとなっています。

プルーフのカタログ価格は425UD〜1550USDとなっており、グレーディング品の売買が殆どないので算出が難しいですが、実勢価格は未鑑定(UNC程度)で手数料込み約600USD(1869年、カタログ価格425USD)となっています。

グレーディング済みのコインの場合MS60(PF60、PR60)でカタログ価格の1.2倍〜1.5倍程度が購入価格の目安になると思います。

英国領ジャマイカのビクトリアコインまとめ

ジャマイカのビクトリアコインはこれ以外にSP(SPECIMEN)が有名です。ただ、スイス射撃祭のSPECIMEN(見本貨、試鋳貨)同様、殆ど市場に出回る事の無いコインですので今回は割愛させていただきます。

今回の記事がビクトリアのコインコレクションの参考になりましたら幸いです。