「一銭の周りに稲穂が描かれた明治三十二年の古銭があるんだけど価値はどれくらいかなぁ?」と言った疑問にお答えする為、明治後期から大正初期にかけて発行された稲穂1銭硬貨(稲1銭青銅貨)の価値と買取相場について記載して行きたいと思います。
この古銭では状態の良いもの(完全未使用など)や人気の高い影打ちエラー銭で価値が高くなっており、高額査定が期待できます。
稲穂1銭硬貨(稲1銭青銅貨)の詳細
画像は明治31年から大正4年(1898年〜1915年)にかけて発行された稲穂1銭硬貨です。明治30年の貨幣法制定により製造された古銭で表面には「稲穂と額面」裏面には「旭日と年号銘」などが描かれています。
稲1銭青銅貨の詳細
項目 | 詳細 |
直径 | 27.87mm |
品位 | 銅950/錫40/亜鉛10 |
量目(重量) | 7.13g |
製造期間 | 明治31年11月〜大正4年12月 |
総発行枚数 | 64,500,000枚 |
その他 | 価値の高い明治39年・42年・44年銘あり |
年号別の発行枚数
年号銘 | 発行枚数 |
明治31年 | 3,649,448枚 |
明治32年 | 9,764,028枚 |
明治33年 | 3,086,524枚 |
明治34年 | 5,555,155枚 |
明治35年 | 4,444,845枚 |
大正2年 | 15,000,000枚 |
大正3年 | 10,000,000枚 |
大正4年 | 13,000,000枚 |
日本のカタログ価格
年号銘 | 完全未使用 |
明治31年 | 35,000円 |
明治32年 | 25,000円 |
明治33年 | 40,000円 |
明治34年 | 25,000円 |
明治35年 | 40,000円 |
大正2年 | 15,000円 |
大正3年 | 10,000円 |
大正4年 | 10,000円 |
年号銘 | 未使用 |
明治31年 | 25,000円 |
明治32年 | 20,000円 |
明治33年 | 30,000円 |
明治34年 | 20,000円 |
明治35年 | 30,000円 |
大正2年 | 7,000円 |
大正3年 | 7,000円 |
大正4年 | 7,000円 |
年号銘 | 極美品 |
明治31年 | 3,500円 |
明治32年 | 3,000円 |
明治33年 | 5,000円 |
明治34年 | 3,000円 |
明治35年 | 5,000円 |
大正2年 | 1,200円 |
大正3年 | 1,200円 |
大正4年 | 1,200円 |
年号銘 | 美品 |
明治31年 | 1,200円 |
明治32年 | 800円 |
明治33年 | 3,000円 |
明治34年 | 800円 |
明治35年 | 3,000円 |
大正2年 | 600円 |
大正3年 | 600円 |
大正4年 | 600円 |
稲穂1銭硬貨の査定相場・買取価格
下記は私が調べた稲穂1銭硬貨(稲1銭青銅貨)の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)と買取相場です。
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
明治35年 PCGS MS65 | 38,000円 | 〜30,000円 |
明治32年 完全未使用 | 15,000円 | 〜11,000円 |
大正4年 未使用 | 4,900円 | 〜3,200円 |
明治33年 極美品 | 1,800円 | 〜600円 |
買取相場の根拠
買取価格は日本のカタログ価格の1/3〜1/2程度が相場となっており、極美品以下の状態の古銭については明治銘の特年だとしても買取価格は1,000円以下となることが一般的です。
ただ、通常硬貨以外に下記のような試鋳貨・プルーフ・エラーコインなどが見つかっており、物によっては100万円前後での査定となることもあります。
価値の高い試鋳貨・明治39年・プルーフ・影打ちエラー
アルミ稲穂1銭硬貨
画像は非常に珍しい明治39年銘の1銭試鋳貨(見本貨幣)です。通常の稲1銭青銅貨と異なり素材がアルミニウムとなっており、1円玉のような色合いです。
2018年にNGC鑑定済みPF62が米国にて当時9,000USD(約100万円)で取引されました。その為、同様のものならば50万円を超えるような高額査定が期待できます。
プルーフ稲1銭青銅貨
画像は明治39年銘のプルーフ1銭青銅貨です。先ほどのアルミニウムで作成された試鋳貨(見本貨幣)と同様に市場に出回ることは殆どありません。
こちらは2011年にNGC鑑定済みPF66が10,925USD(約120万円)で取引されており、同様のものならば100万円前後での査定も期待できるでしょう。
影打ち(陰打ち)エラー銭
画像は影打ち(陰打ち)エラーの稲1銭青銅貨です。影打ちエラーの価値は「エラーの美しさ」「古銭の状態」「年号銘」によって異なり、市場では15万円〜35万円程度で取引されています。
その為、もし本物ならば少なくとも10万円を超えるような高額査定が期待できるでしょう。
稲穂1銭硬貨(稲1銭青銅貨)まとめ
いかがだったでしょうか?稲1銭青銅貨は明治から大正にかけて発行された古銭なので状態が良いものを中心に骨董(アンティーク)として価値が高くなっています。
また、明治39年銘の試鋳貨やプルーフ、エラーコインについては価値が非常に高くなっており、高価買取が期待できます。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。