「昭和11年銘の穴の空いた十銭硬貨があるんだけど価値はどれくらいかなぁ?」と言った疑問にお応えするため、今回は昭和8年から昭和12年にかけて発行された10銭ニッケル貨幣の価値と買取価格について記載して行きたいと思います。
この古銭ではエラーコインが複数発見されています。また、昭和8年銘ではプルーフ試鋳貨(見本貨幣)が存在し、価値が非常に高くなっております。
10銭ニッケル貨幣の詳細
画像は昭和8年から昭和12年にかけて発行された10銭ニッケル貨幣です。中央に穴の空いた穴銭で昭和8年銘の発行枚数が少なく、他の年号銘と比べ価値が高いです。
10銭ニッケル貨の詳細
項目 | 詳細 |
直径 | 22mm |
品位 | ニッケル1000 |
量目(重さ) | 4.02g |
製造期間 | 昭和8年9月〜昭和12年12月 |
年号別の発行枚数
年号銘 | 発行枚数 |
昭和8年 | 14,570,714枚 |
昭和9年 | 37,351,832枚 |
昭和10年 | 35,586,755枚 |
昭和11年 | 77,948,804枚 |
昭和12年 | 40,001,969枚 |
日本のカタログ価格
年号銘 | 完全未使用 |
昭和8年 | 3,000円 |
昭和9年 | 1,500円 |
昭和10年 | 1,500円 |
昭和11年 | 1,500円 |
昭和12年 | 2,000円 |
年号銘 | 未使用 |
昭和8年 | 1,200円 |
昭和9年 | 800円 |
昭和10年 | 900円 |
昭和11年 | 800円 |
昭和12年 | 1,200円 |
年号銘 | 極美品 |
昭和8年 | 800円 |
昭和9年 | 400円 |
昭和10年 | 500円 |
昭和11年 | 400円 |
昭和12年 | 800円 |
年号銘 | 美品 |
昭和8年 | 500円 |
昭和9年 | 200円 |
昭和10年 | 300円 |
昭和11年 | 200円 |
昭和12年 | 500円 |
エラー銭やプルーフ硬貨の詳細
エラー銭
10銭ニッケル貨のエラー銭(エラーコイン)としては画像のようなヘゲエラー等が知られています。
ただ、価値の高い「穴ずれ」や「穴なし」エラーコインは私が知る限り発見されておらず、高価買取が期待できるものはありません。
プルーフ硬貨
画像は非常に珍しい昭和8年銘のプルーフ10銭ニッケル貨です。
このプルーフ硬貨は試鋳貨(見本貨幣)となっており、実際に市場に流通したものではありません。デザインのバリエーションが複数種類あり、デザインや状態によって価値が異なります。
10銭ニッケル貨幣の買取価格・査定相場
下記は私が調べた10銭ニッケル貨幣の実勢価格(業者が販売し実際に市場で取引された値段)と買取相場です。
プルーフ硬貨やエラー銭
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
昭和8年 NGC PF66 | 7050USD(約76万円) | 〜680,000円 |
昭和8年 NGC PF65 | 5405USD(約58万円) | 〜500,000円 |
昭和11年 ヘゲエラー 極美品 | 2,500円 | 〜800円 |
通常銭の買取相場
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
昭和11年 PCGS MS66 | 7,480円 | 〜4,000円 |
昭和8年 完全未使用 | 3,480円 | 〜1,600円 |
昭和12年 完全未使用 | 2,280円 | 〜800円 |
昭和10年 完全未使用 | 1,980円 | 〜600円 |
鑑定済みコイン
PCGSやNGCによる鑑定済みコインでは鑑定料の分だけ取引価格が上昇する傾向がありますが、鑑定料が数千円から五千円程度発生するため、通常貨の場合、鑑定に出した後、買い取ってもらうとマイナスになってしまう可能性が高いです。
通常貨(エラーやプルーフ以外)では特年の昭和8年銘の完全未使用の場合、1000円を超える買取も期待できます。
エラーコインについては価値の高い穴ズレなどがあれば1万円を超える買取が期待できますが、ヘゲエラーの場合、コレクターが少ないため、買取価格は1000円以下が相場でしょう。
買取価格(査定価格)が飛び抜けて高いのはプルーフ硬貨(試鋳貨)で全世界でも現存数は100枚未満と言われています。
バリエーションや状態にもよりますが、プルーフ硬貨ならば数十万円から70万円弱での高額査定が期待できます。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。