「1円玉と同じアルミで作られた昭和十五年の1銭硬貨があるんだけど価値はどれくらいだろう?」と言った疑問にお答えするため、昭和13年から昭和15年にかけて発行されたカラス1銭アルミ貨幣の価値と買取相場について記載して行きたいと思います。
この硬貨では昭和13年銘と昭和14年銘の一部が特年(価値の高い年号銘)となっており高価買取が期待できます。なお、昭和13年に発行されたカラス1銭黄銅貨については下記の記事で紹介しています。
カラス1銭アルミ貨幣(昭和13年・14年・15年)の詳細
画像は昭和13年から昭和15年(1938年〜1940年)にかけて発行されたカラス1銭アルミ貨です。昭和13年に発行されたカラス1銭黄銅貨幣と同一のデザインとなっており表面には「波と八稜鏡に菊と桐の紋章」裏面には「桜花の背景に八咫カラス」が描かれています。
一銭アルミ貨の詳細
項目 | 詳細 |
直径 | 17.6mm |
品位 | アルミ1000 |
量目(重量) | 0.9g |
硬貨の発行枚数
年号銘 | 発行枚数 |
昭和13年 | 45,502,266枚 |
昭和14年 | 444,602,146枚 |
昭和15年 | 602,110,015枚 |
日本のカタログ価格
年号銘 | 完全未使用 |
昭和13年 | 5,000円 |
昭和14年(ル四) | 5,000円 |
昭和14年(角四) | 300円 |
昭和15年 | 300円 |
年号銘 | 未使用 |
昭和13年 | 3,000円 |
昭和14年(ル四) | 4,000円 |
昭和14年(角四) | 200円 |
昭和15年 | 200円 |
年号銘 | 極美品 |
昭和13年 | 1,000円 |
昭和14年(ル四) | 2,000円 |
昭和14年(角四) | 150円 |
昭和15年 | 150円 |
年号銘 | 美品 |
昭和13年 | 300円 |
昭和14年(ル四) | 1,000円 |
昭和14年(角四) | 80円 |
昭和15年 | 70円 |
昭和14年銘ル四と角四の違い
昭和14年銘では画像のようなル四と角四が存在します(左が「ル四」右が「角四」)。ル四では年号銘の「十四」の「四」が画像のように「ル型」になっており価値が高いことで知られています。
昭和13年からの古銭の変遷
昭和13年から昭和20年にかけては硬貨のデザインが頻繁に変更となりました。1銭硬貨では昭和13年のカラス1銭黄銅貨が軍需用としての銅需要上昇のため、僅か1年のみの発行となり、昭和13年から昭和15年にかけては今回紹介させて頂いたカラス1銭アルミ貨に置き換わりました。
しかし、アルミは航空機の原料として欠かせなかった為、昭和16年になると量目を約3割減らした富士1銭アルミ貨へ再度、置き換わりました。その後、終戦直後にはアルミ確保が困難となり1銭錫貨や未発行陶貨などが作成されています。
カラス1銭アルミ貨幣の査定相場・買取価格
下記は私が調べたカラス1銭アルミ貨の実勢価格(業者が販売し実際に中古品市場で取引された値段)と買取相場です。
古銭詳細 | 実勢価格 | 買取相場 |
---|---|---|
昭和14年(角四) プルーフライク | 5,000円 | 〜2,500円 |
昭和14年(ル四) 完全未使用+ | 5,000円 | 〜2,500円 |
昭和13年 完全未使用 | 3,000円 | 〜1,200円 |
昭和14年(ル四) 極美品 | 600円 | 〜200円 |
昭和15年 極美品 | 300円 | 〜30円 |
買取相場の根拠
一方、珍しいプルーフライクや特年の完全未使用品は価値が高くなっており、売却時期が良ければ2000円を超えるような買取となることもあります(プルーフライクとはプルーフのような鏡面状の輝きのある硬貨のことで価値が高くなっています)。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。