コイン鑑定機関NGCとは
NGC(Numismatic Guaranty Corporation)は、1987年に設立された収集用コイン第三者鑑定専門機関です。
NGCの一番の特徴は、守備範囲の広さです。古くは中世のものから現代のものまでを幅広く取り扱い、評価方式は異なりますが、古代コインも取り扱っています。なお、画像のスラブケースは少し古いもので現在では少しデザインが異なるものが主流です。
日本の明治の古銭はPCGSによる鑑定品よりもNGCによる鑑定品の方が多い気がします。ただ、米国の鑑定機関ということもあり、たまに古銭を間違えて鑑定しています(一分銀や二朱金など江戸期の古銭で間違っている事があります)。
また、日本の古銭の場合はNGCによる鑑定済み古銭といっても価値として評価されにくいため、古銭売却時にわざわざ高い手数料を支払って米国の鑑定を取得する必要はありません。
鑑定料
鑑定料は古銭の価値によって異なりますが、送料などを含め5000円程度〜が相場となっています。その為、現存数が多く価値の低い古銭の鑑定済み品は意外と少ないです。
コイン鑑定機関PCGSとは
PCGSも米国の鑑定機関です。個人的にはNGCよりもPCGSの方がスラブ(ケース)がカッコイイので好きです。1985年にコインの価値が、その状態により大きく異なることから国際的な品質基準を決めるために発足されました。
世界トップクラスの専門家による公平なグレーディングと認証により比類のない価値をPCGS認定コインは持っています。
日本では海外のアンティークコイン(英国、米国、ドイツ、スイス、フランスなど)の場合、NGCやPCGSによる鑑定済みコイン(古銭)は高く評価される傾向にありますが、日本の古銭(江戸、明治、大正、昭和)の場合、海外の鑑定の価値は殆ど評価されません。
鑑定料
鑑定料は古銭の価値によって異なりますが、NGCと同様に送料などを含め5000円程度〜が相場となっています。明治期の状態の良い古銭を売却のために鑑定に出すのは良い選択肢だと思われますが、昭和期の価値の低い古銭などを売却のために鑑定に出すことはオススメしません。
NGC・PCGSの評価と状態の関係
古銭業者や書籍によって評価基準が若干異なることもありますが、古銭の指針ではNGCやPCGSのグレード(評価)と状態(極美品や準未使用など)の関係については下記のように定義しております(PFやPRなどのプルーフについても同様の基準となっています)。
NGC・PCGSの評価 | 状態 |
MS65以上 | 完全未使用 |
MS60〜MS64 | 未使用 |
AU50〜AU58 | 準未使用 |
XF40〜XF45 | 極美品 |
VF20〜VF35 | 美品 |
F12〜F15 | 並品 |
VG4〜VG8 | 劣品 |
古い古銭ではMSグレードは希少で骨董(アンティークコイン)としての価値が高いことが一般的です。一方、近年の硬貨についてはMSグレードだとしても現存数が多いためプレミアムの価値が乏しい事もあります。今回の記事が古銭の売却や換金の参考になりましたら幸いです。